鑑賞録やその他の記事

その他-映画作家

映画する人、奧山順市

書き下ろしです。 奧山順市の『我が映画旋律』(1980)を最初に観た衝撃は忘れられない。 ハイコントラストな白黒の7分間のフィルムで、メインのイメージは、黒地に素早く伸び縮みする白い横縞。伸びて画面端を過ぎるたびに不思議な音を立てる。突如、耳を聾…

アイダ・ルピノ監督作『恐れずに』(1950)『暴行』(50)『ヒッチハイカー』(53)

2022/5/3 および 2022/5/10 の Facebook 投稿を組み合わせたものです。 シネマヴェーラ「アメリカ映画史上の女性先駆者たち」特集で、初めてアイダ・ルピノが監督した映画を3本観た。言うまでもなく『ハイ・シェラ』(1941)『危険な場所で』(51)などの名女優…

或日の鈴木清順演出

Facebook の 2017/ 2/23 の投稿に手を加えたものです。 実は俺、鈴木清順監督の『ピストルオペラ』(2001)に出てるんですよ。幻想シーンに登場する亡霊たちのひとり。プロデューサーの片嶋一貴によるキャスティングで、高橋洋、成田裕介監督らと共に調布の日…

ジョン・フォードおススメ10本

書き下ろしです。 本ブログのために自分の過去の Facebook を漁っていて、こんなのを見つけた。日付は2015年2月1日。 今日はジョン・フォードの誕生日なので、いま思いつく10本を挙げます。『三悪人』『長い灰色の線』『周遊する蒸気船』『アパッチ砦』『捜…

ジョン・フォードと淀川さん

Facebook に 2017/ 3/ 8 に投稿した記事に手を加えたものです。 俺が生まれて初めて名前を覚えた映画監督は、たぶん、黒澤明でもヒッチコックでもなく、ジョン・フォードだ。それは子供の頃に観ていた日曜洋画劇場で、『荒野の決闘』(1946)や『怒りの葡萄』(…

フランク・タシュリン讃

Facebook に 2020/ 9/23 に投稿した記事に手を加えたものです。 最近、フランク・タシュリン監督の映画をDVDで立て続けに3本も観てしまいました。アニメーションから出発し、ジェリー・ルイスの底抜けシリーズなどで実写にも腕をふるったひと。 きっかけは…

ルパン三世と大和屋さん

個人ホームページに 1999/5/08 に投稿した記事に手を加えたものです。 近所のパチンコ屋でルパン三世のノボリが目に入った。デジパチなどというものは得意でない俺だが、その日は何となく気分で入店。くだんの台の前に座った。ぼんやりと打ちながら、考えて…