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『散弾銃の男』(1961)

Facebook に 2017/ 1/29 に投稿した記事に手を加えたものです。

チャンネルNECOで録画した『散弾銃(ショットガン)の男』(61)を観る。鈴木清順監督、二谷英明主演の山村西部劇。
見せ場の連続サービスを心がけたのだろうが、常に過剰な感じがあって落ち着かない(貶しているのではない)。酒場での群衆の動かし方も意図的に不自然で、そのくせ役者全員がやる気満々で男臭いマスゲームのようだ。割って入る楽師が妙にでかいアコーディオンを抱えていて、また異様。
そのアコーディオンを二谷がいつの間にか抱えている。流れ者だからギター程度にしときゃいいのに、そいつを鳴らして歌うのだ。このシーンの演出が妙に迫力があり、歌声に気づいたヒロイン芦川いづみが男たちをかきわけグイッと画面の前に出てくる。その思い詰めた顔のどアップ、二谷自身はなかなか映らない。やっと切り替えしたかと思うと、窓外の書割っぽい風景をバックにまるで舞台上のひとのよう。その顔は斜め後ろから捉えられ、彫像めいている。
西部劇を意識した風景はたびたび疑似夜景で描かれ、奥行きが殺される。突然のカラフルな芥子畑、滝の脇に人形のように引っかかる男、ラストの海辺では意味なく波の中で殴り合う。不思議世界が何の疑問もない感じで、眼前に繰り広げられる。半ば呆れて観続けるばかりだ。
そんな中、南田洋子が自分勝手な悪女をいきいきと演じ、ああ、この監督は本当にこういう女が好きだなあと思わせられた。

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散弾銃の男