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映画監督とバンドリーダー

Facebook 内に 2014/ 5/27 に投稿した記事に手を加えたものです。

そもそも種類の違うモノを喩えるというのは、喩え遊びに過ぎないんだけど。だけどその遊びの中からほんの少し真実が顔を出すこともあると思うので、言わせてもらうと。多くの場合、映画監督は他ジャンルの表現者の中ではバンドリーダーに近いモノではないかと思う。譜面よりも、その場での即興的な要素の強いジャズやロックのバンドリーダーに。
そういったバンドでは、同じようなリズム、同じようなメロディを感じている人が集まることが最善とは思えない。それぞれの人に固有のリズムとメロディがあり、合わせてみることによって新たなリズムとメロディとハーモニーが生まれる。その環境作りをして、ひとつの表現のかたちにまとめるのがバンドリーダー。そのとき個々のイキモノとしてのメンバーとは別の、バンドという新たなイキモノが生まれる。そのように映画もイキモノであるべきだし、だからこそ一個人の表現の枠を超えうるものとなるのだ。
ただしそれは、そのイキモノに好き勝手にやらせるという意味ではない。自由と多幸感がめざましい成果を生むかというと、必ずしもそうとは限らないのだ。だから映画監督もバンドリーダーも、孤独な独裁者となる。