鑑賞録やその他の記事

鑑賞録-タイトルま行

力作『窓ぎわのトットちゃん』(2023)

書き下ろしです。 八鍬新之介監督作『窓ぎわのトットちゃん』(23)を観る。言わずとしれた黒柳徹子の大ベストセラーの映画化で、黒柳は製作にも名を連ね、ナレーションも務めている(※注)。 勉強不足なことに自分はこの原作、読んでないのだ。ただしそんな自…

清水宏監督のレア作2本『桃の花の咲く下で』(1951)『明日は日本晴れ』(48)

Facebook への複数の投稿を組み合わせ、手を加えたものです。 清水宏監督の比較的レアな作品を、別の映画館で続けて観ることができた。 まずは神保町シアターの笠置シヅ子特集で『桃の花の咲く下で』(51)。終戦後の貧しさ濃い都会で、歌入りの紙芝居屋として…

活動大写真『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』(2023)

書き下ろしです。 クリストファー・マッカリー監督作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』(2023)を観る。トム・クルーズ演じる超人的なスパイ、イーサン・ハントが活躍する人気シリーズの最新作だ。今回、イーサンと彼の所属するIMFの…

オフュルス最後のアメリカ映画『無謀な瞬間』(1949)

Facebook の2022/6/22 の投稿に手を加えたものです。 『無謀な瞬間』(49)をDVDで。マックス・オフュルス監督の最後のアメリカ映画で、ジョーン・ベネットとジェームズ・メイスンという凄い組合せ。プロデュースは当時のベネットの夫ウォルター・ウェンジャー…

フリッツ・ラングの人情喜劇『真人間』(1938)

Facebook の 2021/6/26 の投稿に手を加えたものです。 『真人間』(38)をDVDで。フリッツ・ラング監督の渡米後三作目で、珍しくフランク・キャプラ的ともいえる題材の人情喜劇。篤志家の社長(ハリー・ケリー!)が元犯罪者たちを店員に雇ったデパートで…

傑作サスペンス小説の映画化『幻の女』(1944)

Facebook に 2019/12/24 に投稿した記事に手を加えたものです。 DVDでロバート・シオドマク監督作『幻の女』。 40年代のハリウッド製フィルム・ノワールの1本で、タイトルで分かるひともいようが、アイリッシュの有名小説の映画化だ。いわゆる冤罪サスペン…

だから映画は怖い-清水宏『みかへりの塔』(1941)

Facebook に 2021/10/ 4 に投稿した記事に手を加えたものです。 清水宏監督作『みかへりの塔』(41)をDVDで。初見。問題児を預かる教育施設を賛美を込めて描く作品。現在も大阪にある修徳学院がモデルらしいが、関西弁は出てこない。その教育は精神主義的な…

ジョン・フォード『モガンボ』(1953)『最敬礼』(29)

Facebook に 2022/ 8/ 2 に投稿した記事に手を加えたものです。 シネマヴェーラのジョン・フォード特集、今日は『モガンボ』と『最敬礼』。いずれも初見。 『モガンボ』は、「腕と度胸の仕事師が、世間ずれしたタフな女といい雰囲気になるが、育ちのいい美人…

ブレッソンの強烈な一撃『湖のランスロ』(1974)+『たぶん悪魔が』(77)

Facebook 内に 2022/ 3/ 22 に投稿した記事に手を加えたものです。 ロベール・ブレッソン監督作でずっと観たかった『湖のランスロ』を新宿シネマカリテで。アーサー王伝説に登場する騎士ランスロの物語で、後で調べたら幼少時に湖の精にさらわれたことに由来…

『街の灯』(1931)

Facebook に 2012/2/17 に投稿した記事に手を加えたものです。 チャップリンの『街の灯』についてですが、厳密には鑑賞録というより、初見のときの思い出です。有名なラストシーン。かつて盲目だった少女は自分の恩人が貧相な浮浪者チャップリンだったことを…