鑑賞録やその他の記事

鑑賞録-タイトルた行

荒野の狂気『デッドロック』(1970)

Facebook の 2021/6/8 の投稿に手を加えたものです。 K's cinema でローランド・クリック監督作『デッドロック』(70)。1970年のカンヌ映画祭に招待されたニュー・ジャーマン・シネマの異色作。戦争の危険迫る中東の砂漠をアメリカの荒野に見立てて撮影し、照…

『多十郎殉愛記』(2019)の贅沢さ

2019/5/22 の Facebook 投稿に手を加えたものです。 『多十郎殉愛記』(19)は、いま現在、観たことそのものが事件になるような映画だった。全ての瞬間に「この映画を作りたい」というスタッフ・キャストのはち切れるような想いが充満し、老将、中島貞夫監督の…

『ダーティハリー』(1971)編集のひみつ

書き下ろしです。 大風呂敷なタイトルにしちゃったけど、今回は『ダーティハリー』(71)-このドン・シーゲル監督クリント・イーストウッド主演の大傑作のごく一部分について書く。といっても、この映画を観たひとみんなが語りたくなる鉄橋(※注1)からのバ…

ミッシーの未公開作『たなざらし(Shopworn)』(1932)

Facebook に 2021/12/2 に投稿した記事に手を加えたものです。 ok.ru(※注1)で "Shopworn"(1932)というタイトルも知らなかった "ミッシー" ことバーバラ・スタンウィックの作品を発見。日本語に直訳すると、『たなざらし』ってところか。監督はニック・グ…

『タワーリング・インフェルノ』(1974)備忘録

Facebook に 2017/ 5/ 6 に投稿した記事に手を加えたものです。 『タワーリング・インフェルノ』はむちゃくちゃ巧い映画ではないのだが、これぐらいやってくれたらさすがに「プロの映画だな」と思える「分かりやすい巧さ」が目立つ映画だったので、備忘録的…

『天間荘の三姉妹』(2022)

Facebook に 2022/11/ 3 に投稿した記事に手を加えたものです。 『天間荘の三姉妹』を観る。いま作られることの大切さを考えたメッセージ性あふれる意欲作で、最初の長回しから「映画だぞ!」と堂々と打ち出し、砂浜に寝転ぶ真俯瞰から海と空へのメインタイ…

『ドライブ・マイ・カー』(2021)

Facebook に 2021/ 8/31 に投稿した記事に手を加えたものです。 濱口竜介監督作『ドライブ・マイ・カー』。登場人物たちの心の旅路をみごとな映像とドラマ演出で、清冽な緊張感を保ちながら見せきる3時間。賞をとることが納得できる立派な映画で、芸術を嗜…

安川有果『Dressing Up』(2012)

Facebook 内に 2015/ 9/ 5 に投稿した記事に手を加えたものです。 イメージフォーラムで、安川有果監督長編デビュー作品『Dressing Up』を観る。面白かった!異邦人として田舎町にやってきた少女(四宮秀俊撮影による車が街に乗り入れる一連の優れたショット…

『デンジャラス・プリズン -牢獄の処刑人-』(2017)

Facebook に 2020/10/26 に投稿した記事に手を加えたものです。 『デンジャラス・プリズン -牢獄の処刑人-』をブルーレイで。『ブルータル・ジャスティス』(2018)を映画館で観て驚愕し、処女作の『トマホーク ガンマンvs食人族』(15)にも感服したS・クレイグ…

『ダークナイト ライジング』の奈落脱出の話など

Facebook に 2012/9/1 に投稿した記事に手を加えたものです。 こないだ横田基地でライブ撮影の仕事をした帰りに、駅までの長い夜道を歩く中、手伝ってくれた若いヤツと『ダークナイト ライジング』(2012)の話題になりまして、あの映画、好きな人は大好きみた…

『ダーク・シャドウ』(2012)

Facebook に 2012/12/27 に投稿した記事に手を加えたものです。 『ダーク・シャドウ』を観てきました。ティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演というおなじみコンビの、20世紀に蘇った吸血鬼の奮闘記です。冒頭のバートン得意の "これまでのいきさつ" …